恐怖の泉

実話系・怖い話「私の恐怖体験」

私は定員が100名ほどの保育園に勤務していたのですが、そこで不気味な体験をしました。

そこは古いマンションの1階2階部分を利用していて、1階は2歳・3歳・4歳・5歳児の部屋、2階には1歳0歳児の部屋がありました。
真ん中にはホールがあり、2階まで吹き抜けになっています。
私は保育補助のパートとして2歳時クラスを担当していたのですが、いつも窓際に立っている女の子がいるので気になっていました。

「どうしたの?」
聞いてみると、ブランコの方を指さして
「あそこにお友達がいる。」
と言います。
しかし、どこを見ても誰もいません。

「えっ、誰もいないよ~。」
と私が言っても、その子は
「いるよ。」
と言うだけ。
まぁ子供はそういった面もありますから、あまり気にはなりませんでした。

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数日後、また同じように窓際にその子が立っていました。
横目で確認はしつつ、声はかけないでいたのですが
「先生。」
今度はその子から声をかけられます。
「どうしたの?」
と話を聞くと
「葉っぱの上に人がいる。」

葉っぱの上に人?何を言っているんだろう…と周囲を見渡すも、やはり誰も居ません。
この子には何が見えているのだろうかと思いつつ、適当に相槌を打って私はその場を離れました。

子供達が昼寝をしている間、掃除をしながら他の先生にその事を話してみました。
「Yちゃんは、よく見るみたいですよ。あとRくんも。」
と普通に返されます。
私が話の内容についていけずに固まっていると、ある先生が続けて言いました。

「私も霊感が強くていることは分かるんですけど、見たことはここではないですね。
いつも遅番で1人になると、誰もいないはずなのに水道から水が出る音がしたり、給食室のエレベーターが上がってきたりしょっちゅうですよ。だから遅番はやりたくないんですけど。」

幽霊という概念が全く頭に無かった私は、少しショックを受けてしまいました。
その話を聞いてからは、恥ずかしながら保育園で1人になる事が怖くて仕方がありませんでしたが、仕事なのでやらない訳にはいきません。

そんなある日、Yちゃんが自分の引き出しの前でシクシク泣いていました。
「どうしたの?」
と声をかけると、Yちゃんは引き出しを指します。
何か嫌な予感がしつつ、恐る恐る開けてみると…長い髪の毛の束が入っていました。

私は思わず「キャー!」と悲鳴を上げてその場に倒れ込みました。
このまま勤務を続けるのは無理だと感じた私は、その後辞めさせてもらいました。

後で聞いた話ですが、その辺りは空襲で燃えた時、沢山の子供が亡くなったそうなのです。
空襲と幽霊との関係は霊感の全く無い私が知る由もなく、引越しをしたのでその周辺に近づくこともありません。

今思い出すだけでも本当に怖い体験でした。

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